みなさん、初めまして。横浜市中区にある本牧通り歯科の院長をしている杉村と申します。

 突然ですが、「噛み締めていませんか?」こう聞かれて「はい」と答えられる方は、ご自身のことをとても理解されている方です。反対に「いいえ」と答えられる方は、少し注意が必要な方です。本当に噛み締めていない方は問題ありませんが、知らず知らずに噛み締めている方は注意が必要です。噛み締めていないと思っていても、無意識のうちに噛み締めていると、お口の中だけではなく、体全身に何らかの症状が出てきてしまうからです。

 私は小学生の頃にサッカーを始め、レギュラーになりたくて、歯を食いしばりながら練習していました。また、ライバルチームに負けて唇を噛む思いを何度もしてきました。このような経験、皆さんもされたことはありませんか?

広辞苑で調べると、

【歯を食いしばる】強い苦痛、悲しみ、無念さ、怒りなどを必死にこらえるさまにいう。

【唇を噛む】くやしがるさま。また、怒りをこらえるさま。

とあります。

 このように何かにこらえたりするときに、人は昔から噛む行為をしているようです。

 噛み締めている傾向がある患者さんにお話しするときに、「何かにこらえていませんか?」と聞いたりすることはありません。皆さんも想像してみてください。「こらえていませんか?」・・・可笑しくないですか?こんな聞かれかたをされたら、私だったら「えっ?」と思ってしまいます。ですので、「こらえているに一番近いことって何だろう?そうだ、何かに頑張っているときではないのか」と思い、患者さんにはそのようにお話ししています。

 このような日々の診療で、私が患者さんにお話ししていることをまとめた内容にしていこうと思っています。そして噛み締めている方が少しでも症状が和らいでくれたらと願っています。