「噛み締めていませんか?」と聞かれ、「噛み締めてないよ」とか、「寝ているときしているかも」と言われる方がいらっしゃいます。
私はお口の中のありとあらゆるところを診て、「この方は噛み締めているのかな?」と思い、そういった質問をするのですが…
噛み締めていることが分かっている方は、「そうなんですよ」とか、「気づくと、いつも噛み締めています」と答えてくれます。
この差はなんでしょうか?それは気づくか気づかないかによります(当たり前ですが・・・)。では、どうして気づかないのでしょうか?
それは無意識だからです。
広辞苑で調べてみました。
【無意識】①意識を失っていること。②ある事をしながら、自分のしていることに気づかないこと。③精神分析の用語。本人は意識していないが日常の精神に影響を与えている心の深層。
と、あります。私は患者さんに②の意味合いでお話しします。噛み締めているときは、
- 仕事をしているとき
- 車を運転しているとき
- 料理、掃除をしているとき
- 本を読んでいるとき
- 携帯で何かをしているとき
- テレビを見ているとき
- 考え事をしているとき などなど
以上のようなときに、噛み締めているかな、と気にしてみてください、と。その時、もう一つお話しすることがあります。噛み締め方についてです。
皆さん、噛み締めるって、ギューッと強く噛んでいる状態のことだと思いますよね。それはそうなのですが、それともう一つ、何もしていないときに上下の歯が軽く接触しているだけでも噛み締めていることになるのです。強く噛んでいるだけではなく、単に上下の歯がぶつかっていても噛み締めていることになるのです!
何もしていないときに上下の歯が接触することをTCH(=Tooth Contacting Habit)と言います。Habitは癖や習慣という意味ですので、無意識でやっていても頷けますよね。